今昔きもの美に 触れて・・・眺めて・・・着こなして・・・
あなた色のコンテンポラリーな着物ライフはじめてみませんか
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絹に負けない木綿
武者小路実篤から、「薩摩絣 手織絣 誠實無比」 と讃えられた、永江明夫氏の綿薩摩
大正初期に姿を消していた薩摩絣を、戦時中の疎開で奄美大島より宮崎県都城市に移住して、ごく細い綿糸を大島紬と同じ絣技術で織り出すことで新しい薩摩絣を製作
1952年頃に現在のような木綿の小絣による薩摩絣が完成
滑りが悪く、切れやすい木綿の糸で細かな絣模様を表現するのは大変な作業といいます
美しいツヤや滑らかな手触りはまるで絹のよう
現在、綿織物の最高級品といわれるゆえんでしょう
文人や、結城紬、大島紬などを着尽した方が最後に欲しがるものだと
以前、京都の染め問屋を訪問した際、そこの社長の愛用の着物も、綿薩摩でした
私もある呉服屋さんでその手触りに触れてから、その魅力に取り付かれました
永江氏は工学系出身者らしく、幾何学模様がお得意とのこと
このお着物はたぶん20年以上前のお品
160亀甲で地を被い尽くして、蚊絣、十字絣、地ぬきと、かすり技術を駆使
そしてお仕立てしたときには見事な幾何学模様が連続するよう計算されています
この深い藍と、品格に負けない帯は、何にしましょうか?
見れば見るほど味わい深く、着物の歴史と職人技のすばらしさに改めて感嘆するばかりです
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この時期お勧め、と書きました、大島紬・・・昔から憧れのお着物のアイテムのひとつです
日本の絣は遠く、インド、東南アジア、中央アジアから、海を越えて伝えられたといわれています
かすり技法には色々ありますが、大島紬では、蚊絣の細かさを表す単位として「マルキ」を用い、絣20個を一マルキと数えます.たとえば9マルキの反物といえば、ひと幅に絣が180個織り出されているものということになります
聞いただけで、気の遠くなるような思いになりませんか?!!
絣の色々については叉追々ご紹介するとして・・・
お気に入りのこの大島がお嫁入りに行くことになりました
まあるい風船ともシャボン玉とも言いたくなる柄
その丸の中の絣模様は色々な絣技法が使われていて・・・
しかも、地ぬきと呼ばれる、細かな絣を地一面に織り出し、その一部に絣を表さない無地場を設けることで模様をシルエット状に表現する技法で、丸の輪郭を描いています
久し振りにお見えになったKさん、一目で気に入ったそうです
ずいぶん前にお求め頂いた、サーモンオレンジの擦り箔の帯にも合いそうですね
何度か着た後、一度洗い張りに出せば、もっと艶が出てきそうです
どちらの問屋の別誂えか、その折判るやも知れません・・・
此の所の寒暖の差に身体がついていかず、ギャラリーの着物も袷にするのを躊躇して・・・
さすがに下旬となると、そういうわけにもいかずにやっと腰を上げた次第です
さて、秋の婚礼シーズンを迎え、結婚式にいくつも出席という方もいらっしゃるのでは?
洋装での出席が多くなっているのは事実ですが、着物の華やかさにはやはり及ばないかと
振袖には敵いませんが・・・
訪問着は現代では、一番オールマイティーのお着物と言えます
それゆえ、若い方はお茶会にも訪問着でお運びをする方も多いと聞き及んでおりますが・・・
フォーマル着としてたまにしか使わないのも確かにもったいない気もしますが、だからこそ「晴れの日の祝い」の気持ちが現れるのも事実です
着物はお手入れしていけば、親子3代充分活躍できるもの
自分の経験から言えば、写真のような訪問着に、帯で年齢を変える着方が一番賢い気がいたします
ボリュームが有り過ぎず、加工の良い品で、飽きのこない柄と色、そしてお値段・・・
訪問着ばかり集めて失敗した経験者からすると、こういった条件に合うお着物になかなか出会えないのも事実なのですが・・・
そういう意味で、アンティークやセミアンティークで、少し手入れをすれば着られるものを、お安くゲットすることは、今の時代だから出来ること
そうして着物をみる目を養ってから、又自分の好みが主張できるようになってから、「お気に入りの一枚」を見つけること
決してお安い買い物ではないのですから・・・
お嬢様をお持ちの方や、これから訪問着を買われる方の参考になれば・・・うれしく思います
金曜日から東京へ
久しぶりの銀座は、相変わらず華やいだ若者たちがブーツ姿で闊歩して・・・
一本路地裏に入ったりすると、見かけないお店が顔を出して、本当に飽きない街・・・銀座
この根付も、ふと目にした骨董屋さんのウィンドウに飾ってあって、思わず 「かわいいーー!」
亭主曰く、昭和のはじめの代物で、素材は「洋銀」とのこと
「いまどきは、こんな細かな細工は出来ないよ」
お値段からして、帯はさみはプラスチックかと思いきや、「鼈甲です!」 とむっとされてしまいました(無知でごめんなさい)
なかなか、ぴん!とくる根付が見つからなかったのですが、これは即決!
そのまま帯に挟んで銀座を歩いていると、下のフリフリが歩くたびにゆれて・・・
通る人の視線が時折ここへ集中して、ちょっと自慢げの私?
鞠の部分のガラスも丁寧なカットが施されてキラキラと
見ていて飽きないかわいさです!!!
次回はどの帯につけようかしら? 根付の紐もまた変えても?・・・
お値打ち品をゲットして、秋風もいっそう爽やかに感じられた銀座での一日でした
10月が神無月と呼ばれる由来・・・ご存知ですか?
この月、島根県の出雲大社で会議を開くため、日本中の神様が集まってしまって、他のところには神様がいなくなってしまうから
それで、出雲地方では、10月を「神在月」と呼ぶそうな
こんな旧暦の呼び名ももう過去の遺物となってしまっているかもしれませんが、この響きが好きな私です
ここ数日の急な冷え込みに、着物の世界も袷の準備に忙しくなりそうですが・・・
写真は、その昔、10月の始め頃までは暑い日もあると思い、単衣の秋用にと誂えた小紋
柄を見ていただいてもお分かりのようにまさに 「秋」 してます!
塩瀬羽二重に手描きのこの着物・・生地が良過ぎて(笑)、単衣の時期とはいえ9月の末以降でないと暑くてたまりません
手に入れた30代には、ただこの絵画的な秋の雰囲気がなんとも手放しがたく・・・帯をどうしようと思っては、反物のまま箪笥に眠ること??年
「和空」を開いてからやっとお仕立てしてお目見えとなりました
秋のお出かけにはこんな小紋で颯爽と・・・のつもりでしたのに・・・
先日もどなたかがおっしゃっていましたが、最近のお茶会では、若い方のお着物姿に訪問着が多いとか
確かに訪問着ならある意味、無難は無難ですが、やっぱり面白みには欠けるかと
毎週のように開かれているお茶会となると、なかなかお召し物も大変でしょうが、季節感を大切にする世界だからこそ多少のこだわりをお持ちいただきたいと思うのが正直なところ
小紋は季節も、個性も楽しめるお着物です
お値段的にもお安く手に入る、リサイクル着物等も上手に活用していかれるとよい様に思います
さて、あなたなら、どんな帯を合わせて、「秋を纏う」 コーディネートをされるでしょうか???
おしゃれを楽しむ醍醐味は、こんな「みじかい秋」 にあり!?!
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